実は多くの人が勘違いをしている 歪みと腰痛に因果関係はあるのか?

目次
エビデンスから見る「よくある誤解」 歪みと腰痛に因果関係はあるのか?
「骨盤が歪んでいるから腰痛になる」
「背骨が曲がっているから痛みが出る」
腰痛の説明として非常によく使われる言葉ですが、現在の医学研究では、歪みと腰痛の明確な因果関係は証明されていません。
すべての方に大小はありますが、歪みがあります。
歪みと腰痛は「原因」ではなく「関連」の話 実は多くの人が勘違いをしている
姿勢の左右差、骨盤の傾き、脊柱のカーブと腰痛の関係については、数多くの研究があります。
それらを統合した系統的レビューやメタ解析では、
- 腰痛のある人とない人で
- 姿勢や歪みに明確な差が見られない
- 差があっても関連は弱く、一貫性がない
という結果が示されています。
つまり、
歪みがあるから腰痛が起きる
とは、科学的には断定できない、というのが現在の結論です。
例えば:腰が直角に曲がっていても腰痛がない高齢者
ここで、臨床現場や研究の中でもよく知られている具体例があります。
腰椎が直下に大きく曲がり、見た目には「かなり歪んでいる」状態でも、
日常生活で腰痛をほとんど感じていない高齢者は実際に存在します。
高齢者では加齢により、
- 腰椎前弯の減少
- 背中から腰にかけての円背
- 脊柱アライメントの変化
が起こりますが、それと腰痛の有無は必ずしも一致しません。
この事実は、「歪み=腰痛の原因」という単純な図式が成り立たないことを示しています。
■ 画像や見た目だけでは腰痛は説明できない
MRIやレントゲン検査では、
- 椎間板の変性
- 脊柱の変形
- 骨の並びの乱れ
が見つかることがあります。
しかし、同じような所見があっても痛みのない人は多数存在することが分かっています。
つまり、
- 「歪んでいるから痛い」
- 「まっすぐだから痛くない」
という判断は、医学的には成り立ちません。
■ なぜ「歪み=腰痛」という説明が広まったのか
この考え方が広く使われてきた理由は、
- 視覚的に分かりやすい
- 患者さんが納得しやすい
- 説明がシンプル
という点にあります。
ただし、分かりやすさと正確さは別です。
エビデンスに基づくと、腰痛は体の形そのものよりも、機能や神経の状態、負荷の受け方と深く関係しています。
■ まとめ(エビデンスベース)
- 一般的に言われる「歪み」と腰痛に明確な因果関係は証明されていない
- 腰が大きく曲がっていても、腰痛のない高齢者は実際に存在する
- 見た目や画像だけで腰痛の原因を断定することはできない
- 腰痛は「構造」よりも「機能」に注目する必要がある
結論
腰痛の原因は「歪み」だけでは説明できません。
大切なのは、今の体でどれだけ無理なく動けているかです。
