ART成績が大幅に改善 精子の運動率10%UP、前進運動率8%UPできる方法

不妊/婦人科

採精の工夫によってART治療改善の可能性

不妊治療をしてる方でも間違った知識を有しているのを多く見受けられます。

「精子は溜めた方がいい」と。

何年前の情報なのでしょうか。

残念なことに不妊治療をしている先生方も同様の事を患者さんに伝えている方もいます。

不妊治療では女性側の研究に比べ、男性側の研究が遅れています。

しかし、近年男性側に問題があると多くの研究結果が出ています。

その一例としてイタリアの研究機関からの情報です。

採精の工夫によってART治療改善の可能性があります。

研究内容

313組の不妊治療をしている男性側を、2日から7日間禁欲をしてから精液検査をし、2つのグループ分けします。

グループ①:精液検査は正常または軽度の乏精子症

グループ②:高度な乏精子症

グループ②には最初の採精の1時間後に再度2回目の採精を行いました。(グループ②だけ2回採精を行う)

グループ①と②をICSIで比較検討しました。

☆グループ②に関しては1回目と2回目採精のデータの良い方を選出

結果

グループ①の着床率:15%、臨床妊娠率:20%、出産率:18%

グループ②の着床率:20%、臨床妊娠率:31%、出産率:22%

結果は、精液検査のデータが悪いグループ②の方がICSIの成績が良好です。

この結果から言えることは、精子はフレッシュな方が良いという事です。

精子が造られてから時間が経つと、活性酸素などの影響により精子DNAの損傷を受け、精子の質が低下するのです。

結果に左右する精子の質

精子の質は見た目だけの精液所見ではわかりません。

精子の質とは、精子DNAの損傷が少ないこと。

精子DNAが損傷していると下記の事に影響を与えると多くの研究で報告されています。

・受精率

・胚成長

・胚盤胞到達率

・妊娠率

卵子には精子のDNA損傷を修復する力があります。

しかし、大幅に精子のDNAが損傷していると修復は出来ません。

結果が出ない理由として、男性側に原因がある場合もあります。