パーキンソン病と脳内血流の関係|最新研究と鍼灸によるサポート

手の震えや動作の遅れ、姿勢の不安定さ…。
パーキンソン病は「脳の神経細胞が減る病気」として知られていますが、
最近の研究では脳内血流の低下も密接に関係していることが明らかになっています。
今回は、脳の血流とパーキンソン病の関係をエビデンスに基づいて解説し、
鍼灸でできるサポート方法も紹介します。
🔹パーキンソン病とは?
パーキンソン病は、**脳の黒質(こくしつ)**という部分の神経細胞が減少し、
ドーパミンという神経伝達物質が不足することで起こる神経変性疾患です。
主な症状は以下の通りです。
- 手足の震え(振戦)
- 動作が遅くなる(無動・寡動)
- 筋肉のこわばり(固縮)
- バランスが崩れやすい(姿勢反射障害)
🩸脳内血流の低下が関係している理由
近年の脳画像研究(SPECTやfMRI)で、
パーキンソン病患者では特定の脳領域の血流が低下していることが明らかになっています。
🔬【エビデンス1】
Ito et al., Journal of Nuclear Medicine, 2019
パーキンソン病患者では、前頭葉・頭頂葉・基底核における脳血流量が健常者より有意に低下している。
この血流低下が、運動機能や注意力の低下にも関連しているとされています。
🔬【エビデンス2】
Kim et al., NeuroImage: Clinical, 2022
脳内血流の減少は、ドーパミン神経の減少と相関し、
病気の進行度とも関連している可能性がある。
つまり「神経の変性」だけでなく、「血流の悪化」も病状悪化に関係しているのです。
🌿鍼灸による脳血流改善の可能性
鍼灸治療には、自律神経を介して脳や全身の血流を改善する作用が報告されています。
特に、パーキンソン病のような慢性的な神経疾患に対しては、
血流と神経伝達の改善の両面からサポートが期待できます。
🔸主な効果
- 脳血流量の増加(SPECT画像で確認された報告あり)
- 自律神経の調整(交感・副交感神経のバランス回復)
- 筋緊張の緩和と動作改善
- 睡眠・便通・倦怠感などの自律神経症状の軽減
🔸鍼灸でよく使われる経穴
- 百会(ひゃくえ):頭頂部。脳血流と自律神経調整
- 風池(ふうち)・天柱(てんちゅう):首の後ろ。脳への血流改善
- 合谷(ごうこく)・太衝(たいしょう):全身のリラックス作用
- 足三里(あしさんり):免疫・代謝・血流サポート
🧩生活習慣との関係
脳血流を保つためには、治療と並行して生活リズムの安定も重要です。
✅ポイント
- 毎日のウォーキングや軽い体操で血流促進
- 睡眠時間を一定にする(ドーパミンの分泌リズムを整える)
- 塩分・脂質を控えた食事で血管を保護
- ストレス軽減(副交感神経を優位に)
💬まとめ
パーキンソン病は「神経の病気」であると同時に、
脳内血流の低下が進行に影響を与える病気でもあります。
鍼灸治療によって自律神経と血流を整えることで、
脳への酸素・栄養供給をサポートし、症状の進行をゆるやかにすることが期待されます。
🌸ゆうしん治療院では、パーキンソン病や神経疾患に対する鍼灸・YNSAを組み合わせ、
「血流」「自律神経」「筋肉」の3方向からサポートしています。
