不妊症:男性パートナー原因の不育症

目次

不育症のリスク因子

不育症は女性因子が原因と思っていませんか?

下図は従来の不育症のリスク因子割合です。

妊娠はするが、流産・死産を一般的に2回以上繰り返すと不育症と考えます。

あまり知られていないリスクファクター 男性不妊

従来、不育症は女性にリスクファクターがあると考えられてきました。

最近、男性パートナーの精子の質が低いのが原因と報告があります。

不育症に関し、インペリアルカレッジロンドンの研究データからです。

不育症女性の男性パートナー50名と不育症でない女性の男性パートナー60名を

精液所見、生殖ホルモン、精子のDNA損傷率を比較検討しました。

結果は、精子の質が悪い(運動率、形態率)群はデータが悪いです。

血清テストステロン値に差が出ました。

また、精液中の活性酸素種は4倍も、精子DNA損傷率は2倍と差があります。

精子の質が悪いことが、不育症に繋がっていると結果がでました。

不妊症検査の精液検査は見た目で判断しているだけ

人工授精、体外受精の時に精液検査がありますよね。

量、運動率、直進率など。

これって見た目の判断です。

精子の頭にはDNAが詰まっています。

見た目が良くてもDNAに問題があることもあります。

本質的な検査は男性不妊を扱っているところでないと検査できません。

男性不妊外来の検査

男性不妊をしている木場公園クリニックの検査内容です。

(当院は、結果がなかなかでないときに男性パートナーの詳しい検査をお勧めしています。)

視診・触診

腹部・陰嚢部を見た後、手で精巣、精巣上体、精管を診察する。診断内容

・腹部手術や鼠径ヘルニアの手術の既往なし
・精巣の大きさ、かたさ
・精巣上体の有無、大きさ、しこりの有無
・精管の有無、太さ
・精索静脈瘤の有無


精液検査

精液量、精子濃度、精子運動率、精子直進性運動率、正常形態精子率、白血球数、精子の凝集の有無


ホルモン検査

下垂体から分泌しているFSH・LH・プロラクチンの検査と、主に精巣で作られているテストステロンの検査(血液検査)

診断内容

・下垂体の機能
・精巣の機能
・高プロラクチン血症の有無
診断結果まで約10日間

 


染色体検査

血液中のリンパ球の染色体の検査(血液検査)

診断内容

染色体異常の有無(クラインフェルター症候群、ロバートソン転座、逆位など)
診断結果まで約20日間

 


陰嚢部超音波検査

陰嚢部にゼリーをつけて、超音波のプローブを当てて検査

診断内容

・精巣容積測定
・精巣の性状
(点状のエコー像、精巣腫瘍の有無など)
・精索静脈瘤の有無

 


男性不妊の特殊検査一覧

精子生存性検査

HOS(ホス)テスト

電子顕微鏡による精子尾部検査

抗精子抗体検査(精液、血液)

精液培養

SCSA(精子クロマチン構造検査)

精巣組織検査(精巣生検)

精管精嚢造影

遺伝子検査

尿中精子検査

女性専門クリニックでは上記の様な検査は出来ません。

なかなか結果が出ない場合は、念のために男性パートナーに検査していただく事をお勧めします。

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