【パーキンソン病とYNSA】9年間、進行性の病気と向き合い続けた患者様へ

目次

長く通院してくださった患者様へ

今回は、長年通院してくださったパーキンソン病の患者様について、感謝の気持ちを込めて書かせていただこうと思います。

同じような症状で悩まれている方や、そのご家族にとって、少しでも参考になれば幸いです。


初診時の状態

初診時平成29年、70歳男性。

68歳頃から右足の震えが出始め、自治医科大学にてパーキンソン病と診断されました。

病院では1日3回のお薬が処方されていましたが、来院の2〜3カ月前頃から症状の悪化を感じるようになり、YNSA(山元式新頭鍼療法)を希望され当院へ来院されました。


片道1時間かけての通院

患者様は、毎回バスや電車を利用し、約1時間かけて通院してくださいました。

パーキンソン病では、

  • 身体のこわばり
  • 歩きづらさ
  • 動き出しにくさ
  • 疲れやすさ

など、外出そのものが大きな負担になることがあります。

それでも、

「少しでも今の状態を維持したい」

というお気持ちで、長く通院を続けてくださいました。

治療中は、ご本人だけでなく奥様ともたくさんお話をさせていただきました。

時には冗談を交えながら笑顔で話されることもあり、その時間は私にとっても非常に印象深いものでした。


YNSAを続けた9年間

パーキンソン病は、少しずつ進行していく病気です。

そのため、治療において大切なのは、

「どれだけ進行を緩やかにできるか」
「どれだけ日常生活を維持できるか」

だと私は考えています。

今回の患者様は、約9年間YNSA治療を継続されました。

もちろん、病気そのものを止めることはできません。

しかし、

  • 大きな薬の増量なく経過されたこと
  • 長期間通院を継続できたこと
  • 日常生活を維持できていたこと

を考えると、YNSAによってパーキンソン病の進行を抑えながら生活を支えることができていたのではないかと感じています。

進行性疾患では、「改善」だけでなく、

“悪化を最小限に抑える”

ことにも大きな意味があります。


YNSAに対する当院の考え方

YNSAは、パーキンソン病を完治させる治療ではありません。

しかし、症状を抑えながら生活の質(QOL)を維持していくことは可能ではないかと考えています。

パーキンソン病では、

  • 転倒
  • 筋力低下
  • 活動量低下
  • 嚥下機能低下
  • 肺炎

など、病気の進行によってさまざまな問題が起こります。

だからこそ私は、「パーキンソン病そのもので最後を迎える」のではなく、

“できるだけ症状を抑えながら、その人本来の寿命を全うできる身体を維持していく”

ということが、とても大切なのではないかと考えています。

今回の患者様も、約9年間という長い期間、症状を抑えながら生活を続けることができました。

これはYNSAが一つの支えになっていた可能性があると感じています。


通院を休まれた時期

途中、猛暑の影響で約2カ月間来院をお休みされた時期がありました。

その後、体力の低下や歩行状態の変化がみられました。

改めて、

  • 継続的な刺激
  • 身体を動かすこと
  • 外へ出ること

の大切さを感じた出来事でもありました。

その後は、奥様が付き添いながら通院してくださいました。

長い年月を支え続けてこられた奥様の存在も、とても印象に残っています。


最後まで「自分らしく」

令和7年末、転倒による尾骨骨折で入院。

入院中に肺炎を併発され、今年3月に永眠されました。

突然のお話を伺った時は、本当に驚き、寂しい気持ちでいっぱいになりました。

最後まで、

「少しでも動ける身体を維持したい」

というお気持ちを強く感じていましたし、その姿勢に私自身も多くのことを学ばせていただきました。

約9年間という長い期間、当院を信頼し通院してくださったことに、心より感謝しております。

そして、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。


まとめ

鍼灸治療は、「病気だけ」をみるものではなく、

“その人の人生や生活を支える”

医療でもあると感じています。

パーキンソン病のような進行性疾患だからこそ、

「治す」だけではなく、

“どう生きるか”
“どう生活を維持していくか”

が非常に重要になります。

今回の患者様との9年間は、私にとっても非常に大切な時間でした。

長い間、本当にありがとうございました。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次