はり・きゅうって?
鍼灸は東洋医学で使われる治療方法で数千年の歴史があり今日まで受け継がれている治療です。東洋医学の観点で、体の不調は皮膚や筋肉等のツボ(経穴:けいけつ)といわれるところに現れます。はり・きゅうはそのツボにアプローチしていきます。人のからだには、このようなツボが三百数十、左右合わせて七百以上もあります。はり・きゅう医学では、これらのツボが、私たちの健康と深い関係にあるとみます。私たちが健康を損ねると、内蔵などに機能障害がおこること、体表にあるツボに異常が現れます。
ハリは髪の毛より細いもので皮膚に接触または、刺し痛みはあまり感じません。灸治療は、温度感覚を利用した方法で皮膚を温め熱くはありません。
鍼灸はその方の症状に適したツボに刺激を与え、体本来のバランスや自然治癒力を積極的に取り戻す治療法です。ツボに適切な刺激を与えると、その作用は全身に及び、離れた部位にも変化が起こります。この変化は体の内部にも及び、内臓の不全等も調節されます。
鍼灸は何故効くのですか?
鍼灸治療の主な効果は、ハリやお灸をするとその場所の血液やリンパ液の循環が改善、血行が促進・赤血球や白血球、血小板が活発化します。刺激により鎮痛物質が発生して、痛みが和ぎます。刺激により消炎効果(コリや腫れの改善)が即時現れます。
治療により全身的に、循環が改善・血液細胞が増加し活性化・免疫力が回復します。また、内臓諸器官の機能改善・ホルモンに作用し、ホルモンバランスの安定化・神経伝達物質が放出され正常化するので、一部の病気が治癒に向かいます。また、自律神経に働き、適正に調整していきます。
人間の体はたくさんの細胞から成り立ち、細胞に必要な酸素や栄養は全て血液で運ばれてます。老廃物や病原菌は血液中の白血球で消去されています。
血液循環が阻害され、血液が細胞の隅々に行き届かなければ、様々な病気や痛みの原因になります。
鍼灸は、刺す刺激や熱刺激によって、血液循環をはじめ皮膚や神経にも作用します。そして人体にもともと備わった自然治癒力を呼び起こします。
薬のように一方向性に作用するものではありませんので副作用もなく、その人体にとって最適な状態に調整していくことができます。
そのため様々な、病気や症状に効果があります。
鎮痛効果について
鍼灸の効果の研究は、各地にある研究所、医療機関、鍼灸大学、短期大学などで意欲的に進められております。総合的には、鍼灸刺激が自律神経系、内分泌系、免疫系等に作用して、その結果として、中枢性及び反射性の筋緊張の緩和、血液及びリンパ液循環の改善等の作用があり、ひいては、生体の恒常性(病気を自然に回復させる作用)に働きかけるのではないかと考えられています。
また、古来より認められている鎮痛効果の解明も次ぎのような諸説があります。
- ゲートコントロール…針刺激が脊髄において痛みを抑制する。
- エンドルフィン…針刺激がモルヒネ様鎮痛物質の遊離を促し痛みを抑制する。
- 末梢神経の遮断効果…針刺激が末梢神経の痛みのインパルスを遮断する。
- 経穴(ツボ)の針刺激による痛覚閾値の上昇による鎮痛効果。
- 血液循環の改善…筋肉の緊張をゆるめ血行状態を良くする。