鍼灸適応疾患

当院の治療特徴(経絡治療)

当院の鍼灸治療は一般に「経絡治療」と呼ばれる特殊で優しい鍼灸術です。
「経絡治療」は二千数百年前に確立された鍼灸理論の原点である「黄帝内経」や「難経」という古典書を基にして、現代の鍼灸術に反映させた東洋医学のひとつで経絡(「気血」(きけつ)が流れている経路)上にある「経穴」(つぼ)に鍼灸を施し「気血」の働きを調和させて病を治す治療法です。

ハリが苦手な人 

経絡治療は痛くない優しい鍼です。鍼を刺すのはわずか3㎜程度。
経絡は皮膚表面に流れているので深く刺す必要はありません。
ただし、ハリが怖い方は刺さない治療法(てい鍼、マッサージ、骨格調整など)で対応します。
事前に相談して下さい。
① てい鍼・・・身体になじむ24Kの金を使い、刺すことはなく、皮膚に接触させたり、押したり、擦ったりします。心地よい優しい刺激で自律神経に作用します。
② 指圧マッサージ・・・鍼と同じように必要なツボに直接アプローチします。
人それぞれ筋肉の硬さが異なり、その人に合った圧(刺激)があります。
一人一人に合わせたオーダーメイドの指圧マッサージを行います。
③骨格調整・・・筋骨格系にアプローチします。体の歪みからくる不調を根本的に改善します。
例)肩こり・腰痛、むくみ・冷え、不妊治療や産後の骨盤矯正なども対応しております。

病気は何故起こる?(東洋医学的に)

東洋医学ではひとのからだは「気」と「血」が相互に調和し、盛んに働くことによって私たちの生命活動を維持していると考えます。そして、その調和の良否によって個々の健康の状態が左右されます。
この「気血」の調和が損なわれると、五臓六腑のいずれかの働きが悪くなって、色々な病気が起こります。また経絡は全身をくまなく巡っていますから五臓六腑のどこかに変調が生じると思いもかけない箇所に色々な症状を発したりもします。
下図のように一か所に原因が生じると、その経絡が滞り、さらに他の場所へと波及します。
例えば、腰が痛い→歩くバランスが崩れる→膝に負担がかかる(姿勢が悪くなり肩こりになる)とこの様に他に症状が広がります。

西洋医学との違い

1:症状があれば必ず原因があります

「経絡治療」ではからだに現れている「症状」を手がかりに病の原因や治療法を東洋医学的に考えます。
したがって西洋医学のように患者さんがいくら症状を訴えていても検査結果が正常範囲内であれば「何も異常がないから病気はありません」などというような診断を下してしまうことはまずありません。
からだに感じる症状があれば、東洋医学的にはその原因を説明することが出来ますし、原因が判ればそれに対応する治療方針も自ずと明白になります。
 

 

2:体質改善ができる

西洋医学は主に薬などを使って病を排除しようとします。長期間にわたってそういう治療を続けた場合、からだが外からの働きかけに頼りきってしまい、ひとが元々持っている自然治癒カが損なわれてしまうことがあります。
「経絡治療」では病に陥る原因は自然治癒力が足りないか、十分に活用できていないからだと考えます。鍼灸治療によって自然治癒力を補ったり、本来有するものを最大限に引きだして自らの力で病に打ち勝つよう働きかけます。
したがって治療を繰り返していくうちに同じ病には罹りにくくなり、罹っても以前より軽くて済むようになります。
 

3:未病を治す

「経絡治療」ではそのままにしているといずれ病が発症するはずのからだの変調を前以て「脉診」によって感知できるので、症状が出る前に治療を開始することができます。これを『未だ病にあらざるを治す』と言って、現代的に言えば「予防医学としての役割を果たすことができる」ということになります。
「健康管理としての気血の調整」は「治療として行う気血の調整」よりも簡単ですから治療の間隔は数週間から数ヶ月に1回の受診でも健康管理が可能です。(治療間隔に個人差があるのは個々の生活環境や生命力・年齢によって個人差があるからです。)

 

 4:西洋医学との併用

西洋医学の治療で効果がはかばかしくない場合の主な理由は診断が間違っていない限り、ひとの生命力が衰えているか、うまく生かせていない結果ですから、生命力を強化することのできる「経絡治療」を併用することでより効果の上がる治療になる場合があります。したがって「経絡治療」を併用することで服用する薬を減らしたり離脱することもできるのです。
いずれにしても質の高い健康管理を実現させるには東洋医学と西洋医学の長所を活かすよう心がけることが大切です。

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