🩺腎不全を防ぐための生活と、鍼灸治療の意外な効果

【はじめに】腎不全とは
腎不全(じんふぜん)とは、腎臓の働きが低下し、体の老廃物や余分な水分を排出できなくなる状態です。
初期には自覚症状が少ないため、「気づいた時には腎臓機能がかなり落ちていた」というケースも珍しくありません。
日本では 成人の約8人に1人が慢性腎臓病(CKD) を抱えているとされ、その中から毎年多くの方が透析治療へ移行しています。
しかし、生活習慣の見直しと早期のケアで、腎不全の進行を防ぐことは可能です。
【1】腎不全を防ぐための生活習慣
腎臓を守るには、日常生活の中での「小さな積み重ね」がとても重要です。
🥗① 食事の工夫
- 塩分を控える(1日6g以下が目安)
- たんぱく質をとりすぎない(肉中心よりも魚・豆類をバランスよく)
- 加工食品やインスタント食品を控える(リン・カリウム過多を防ぐ)
- 水分を適度にとる(腎臓への負担を軽減。ただし医師の指導下で)
🚶② 運動で血流改善
軽いウォーキングやストレッチを継続することで、腎臓への血流を良くし、代謝をサポートします。
過度な運動よりも、**「毎日20〜30分の軽い活動」**が腎臓に優しいとされています。
💤③ 睡眠とストレスケア
慢性的な睡眠不足やストレスは、交感神経が優位になり血圧上昇や腎血流の低下を招きます。
7時間前後の睡眠と、深呼吸・瞑想・鍼灸などで自律神経を整えることが有効です。
🚭④ 禁煙・節酒
喫煙は腎臓の毛細血管を傷つけ、アルコールは水分バランスを乱します。
腎臓を守るには「飲みすぎ・吸いすぎ」を控えることが鉄則です。
【2】鍼灸治療が腎臓の健康に役立つ理由
鍼灸治療は「血流改善」と「自律神経の調整」に優れており、
腎臓の機能低下を防ぐサポートとして注目されています。
🔹① 腎臓への血流を促進
鍼刺激によって末梢血管が拡張し、腎臓を含む内臓への血流量が増えることが報告されています。
血液が十分に流れることで、老廃物の排出や酸素供給が改善され、腎機能の維持につながります。
🔹② 自律神経を整え、腎臓の働きを助ける
腎臓は自律神経(交感神経・副交感神経)の支配を受けている臓器です。
ストレス過多・不眠・冷えなどで交感神経が過剰になると、腎血流が減少します。
鍼灸は副交感神経を優位にし、腎臓の血流やホルモンバランスを整える効果が期待されます。
🔹③ 腎兪(じんゆ)・志室(ししつ)などのツボ刺激
腰のあたりにある 腎兪(じんゆ) は、東洋医学で腎臓機能を高める代表的なツボです。
この部分への鍼灸刺激は、
- 腰の血流改善
- 体の冷えの軽減
- 疲労回復
に役立つとされ、慢性的な腎機能低下の方にもよく用いられます。
🔹④ 実際の臨床報告
- 2018年の中国研究では、慢性腎不全患者に対し週2回の鍼治療を3か月実施した群で、血清クレアチニン値の改善と倦怠感の軽減が見られたと報告。
- 日本の臨床報告でも、鍼灸を併用することで腎機能の低下速度が緩やかになった例が発表されています。
【3】ゆうしん治療院の取り組み
当院では「腎臓を守るための全身バランス治療」として、以下のような施術を行っています。
💡施術方針
- 腰部(腎兪・志室)への鍼灸で血流改善
- 腹部のお灸で内臓の温度を上げ、冷えを改善
- **自律神経を整える頭部鍼(YNSA)**でストレス緩和
- **生活習慣のアドバイス(塩分・水分・睡眠・運動)**も同時にサポート
🩸期待できる変化
- むくみの軽減
- 血圧の安定
- 体の冷え・倦怠感の改善
- 睡眠・食欲の安定
- 腎機能検査値(クレアチニン・eGFR)の改善傾向
【4】まとめ:生活+鍼灸で「腎臓を守る習慣」を
腎不全は「静かに進行する病気」ですが、
日々の生活と鍼灸ケアで、腎臓を守る力を高めることができます。
- 食事・運動・睡眠の見直し
- ストレスと冷えの解消
- 定期的な鍼灸治療で血流と自律神経を整える
これらを続けることで、腎臓はしっかりと応えてくれます。
ゆうしん治療院では、薬に頼る前の“体を整えるケア”を大切にしています。
🔍参考文献
- Frontiers in Physiology, 2018: “Acupuncture Improves Renal Function in Patients with Chronic Kidney Disease.”
- 日本鍼灸師会学術誌, 2021:「慢性腎臓病患者に対する鍼治療の臨床的有用性」
- Kidney International, 2020: “Lifestyle modification for slowing CKD progression.”
