三陰交が流産させる?ホント?ウソ? 鍼灸師でもしらないこと
三陰交が流産させる?ホント?ウソ? 鍼灸師でもしらない方が多い
鍼灸では【三陰交】は婦人科系の体表的なツボでよく使われています。
最近、来院患者様が「妊娠中に三陰交を刺激したらダメなんでしょ?流産するんでしょ?」と言われました。
そんなことは決してありません。
その方には下記のようなことを説明しました。
①古典にはそのようなことが記されているが・・・。
②中国の一人っ子政策の時にわざと三陰交の刺激をして堕胎を試みたことがある。
①、②の事を詳しく伝えました。
①の古典には確かに記されています。
※下記書物は堕胎を記したものではありません。
ただし、2つの欠点があります。
一つは、三陰交だけでなく【三陰交と合谷の組み合わせ】によってです。
また、正確には【三陰交と合谷の組み合わせに、補寫の組み合わせ】が入ります。
このことは多くの鍼灸師でも知らなく、【三陰交は流産する】を言われている方が多く残念に思います。
②ですが、1979年と1983年に計350人程度の方に【堕胎を目的に三陰交と合谷の刺激】をしました。
※当時は一人っ子政策で男児が欲しいという方の協力で
結果は、一人も堕胎することはありませんでした。
ではなぜ【三陰交と合谷】で堕胎できると言われてきたのでしょうか?
考えられるのは、古典が現代まで翻訳される過程で読み解きが間違ったこと。
中国は王朝が変わるたびに前王朝の古典は燃やされました。
※歴史上前王朝を否定する。
鍼灸は2000年ともいえる歴史があり、言い伝えられたことが古典書物として存在します。
しかし、長い年月が経つにつれ言い伝えられたことが少しずつ変わったり、王朝が変わるたびに古典書物が燃やされ正確に言い伝えられなかったと考えられます。
当院では妊娠前、妊娠中、妊娠後に状況に応じて三陰交は使います。
今まで決して三陰交で不祥事が起こったことはありません。
また、都内で産科医と組んでいる鍼灸師の勉強会でも「施術することによりメリットはあるが、デメリットはない」と統計調査をとられていました。
よって、テーマの「三陰交が流産させる?」はウソになります。