腰痛だけを診ない鍼灸治療|さまざまな不調を抱えていた30代女性の症例

今回は、腰痛を主訴に来院された30代女性の症例をご紹介します。

この症例を通して改めて感じたのは、「痛いところだけを診るのではなく、その方の身体全体を診ること」そして「患者様の性格や不安にも配慮しながら施術すること」の大切さです。

目次

腰痛で来院された30代女性

30代女性、事務職。

初診時の一番のお悩みは「腰痛」でした。

ところが施術をしながら詳しくお話を伺っていくと、腰痛以外にもさまざまな不調を抱えていることが分かりました。

首・肩こり、不眠、めまい、吐き気、頭痛、下痢などです。

首や肩の症状については、ご本人は「ストレートネックだから仕方がない」と考えていました。

これまでも他の鍼灸院で施術を受けていましたが、症状がある部分ごとに施術を受けることが多かったそうです。

今回は、

「一つひとつの症状ではなく、身体全体を診てもらいたい」

という希望があり、当院へ来院されました。

不安になりやすいことも考慮して施術

ご本人のお話では「不安症」とのことで、身体に何か症状が出るとインターネットなどでいろいろと調べてしまうそうです。

調べれば調べるほど、

「何か悪い病気なのでは?」
「この症状は大丈夫なのだろうか?」

と心配が増えてしまい、それによってさらに身体がつらく感じることもあるとのことでした。

そのため当院では、単に鍼をするだけではなく、今から何をするのか、なぜこの施術をするのかをできるだけ分かりやすく説明しながら施術を進めました。

施術は経絡治療をベースに行いました。

この方の場合、強い刺激をたくさん加えるよりも、身体の反応を確認しながら必要最低限の刺激で整えていく方が適していると考え、鍼の刺激量も少なめにしました。

初回の施術後、腰痛が改善

施術後に身体の状態を確認していただくと、来院時にあった腰痛は消失。

「身体も軽くなった」

とのことで、鍼灸施術による身体の変化を大きく感じていただけました。

その後も体調はとても良かったそうです。

ところが、施術から3日ほど経ったところで、

「好転反応が出たのか、身体がつらい」

と連絡がありました。

「好転反応」と決めつけず、もう一度身体を確認

鍼灸の施術後に、だるさなどを感じる方はいらっしゃいます。

ただし、今回のように施術直後から数日間は調子が良く、3日ほど経過してから突然出てきた症状を、すべて「好転反応」と考えるのは適切ではないと考えました。

「そのまま様子を見てください」とお伝えする選択肢もあります。

しかし、この方は身体の変化に対する不安が強く、症状について考え続けることで、さらに身体がつらくなってしまう傾向がありました。

そこで、様子を見るよりも実際に身体の状態を確認した方が安心につながると判断し、すぐに来院していただきました。

痛い肩には鍼をしない

来院時の主な症状は、

・全身のだるさ
・肩の一点に集中した痛み
・首が回しにくい
・頭痛

でした。

特に肩の一点が気になり、そこを意識し続けるうちに首の動きまで悪くなり、頭痛も出てきたとのことでした。

ここで大切なのは、「肩が痛いから肩にたくさん鍼をする」という考え方だけではないということです。

今回は、痛みを訴えている肩の患部にはあえて触れませんでした。

身体全体の状態を確認し、鍼の本数も最低限にして経絡治療を行いました。

施術後に確認していただくと、だるさ、肩の痛み、首の動かしにくさ、頭痛といった来院時につらかった症状は消失しました。

ご本人にも大変喜んでいただけました。

現在は2~3週間に一度のメンテナンスへ

その後は、施術後に以前のような不調を訴えることもなく、良い体調を維持されています。

現在は症状がつらくなってから来院するのではなく、2~3週間に一度程度、身体の状態を整えるためのメンテナンスとして通院していただいています。

症状ではなく「その人」を診る

腰が痛ければ腰。

肩が痛ければ肩。

頭が痛ければ頭。

もちろん、症状が出ている場所を確認することは大切です。

しかし、人間の身体はそれぞれが完全に独立しているわけではありません。

睡眠、胃腸の状態、仕事による疲労、身体の緊張、生活習慣、精神的なストレスなど、さまざまな要素が影響し合っています。

だからこそ当院では、一つの症状だけを見るのではなく、身体全体の状態を診ることを大切にしています。

さらに、同じ症状であっても患者様によって適した施術は同じとは限りません。

刺激に強い方もいれば、少ない刺激の方が身体が変化しやすい方もいます。

また、身体の変化を細かく説明した方が安心できる方もいれば、必要以上に症状を意識させない方がよい場合もあります。

経絡治療では脈や身体の状態などを確認し、その日の状態に合わせて本治法を行い、必要に応じて症状に対する標治法を加えていきます。

「どこが痛いのか」だけではなく、「どのような身体の状態なのか」「どのような方なのか」まで考えて施術する。

患者様一人ひとりの身体、性格、考え方を尊重し、その方に合った施術を組み立てていくことが大切だと、改めて感じた症例でした。


上尾ゆうしん鍼灸院

当院では、痛みのある場所だけに鍼をするのではなく、経絡治療をベースに脈や全身の状態を確認しながら施術を行っています。

腰痛、肩こり、頭痛などの症状だけでなく、睡眠や胃腸の状態、冷え、疲労、生活習慣など、その方の背景も含めて身体を診ていくことを大切にしています。

「いろいろな症状があって、どこから相談すればいいのか分からない」
「症状ごとではなく、身体全体を診てもらいたい」

という方も、お気軽にご相談ください。

※施術による変化には個人差があります。本記事は一症例の経過をご紹介するもので、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。

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